2020年3月12日に発売された「仁王2」。刀や弓を手にステージを進み、最後に待ち受けるボスを倒す高難易度アクションゲームです。いわゆる「死にゲー」で、「仁王」シリーズの2作目になります。初代「仁王」のキャラクターは登場しますが、ストーリーの直接的な繋がりはなく、本作から始めても問題なく楽しめます。私が初めて触れた死にゲーのシリーズで、とても好きな作品です。
本作の魅力を伝えるべく、ストーリー、システムなどについて解説していきます。アクションに自信がある方、ダークな和風ゲームが好きな方にはおすすめな作品なので、ぜひ最後まで読んでみてくださいね。
ストーリー
時は1555年、徳川家康により天下統一が成される幾らか前の時代。
人と妖怪の間に生まれた主人公は、美濃の国で暮らしながら、妖怪退治や傭兵に明け暮れていた。ある日、主人公は凶暴な妖怪を討ち果たすも、その過程で自身の妖怪としての力も暴走してしまう。そこへ駆けつけ、主人公の暴走を止めたのは“霊石”を売り歩く商人、藤吉郎。
二人が戦国時代を”仁王”の如く駆け上がる、「秀吉」の物語の幕開けであった。二人は美濃の有力武将からの依頼を請け負う形で、霊石集めに励んでいたが、霊石を狙う者の襲撃に遭う。追っ手より逃れる道中で、妖怪を目の敵にする謎の女「無明(むみょう)」を仲間に引き入れ、尾張へと落ち延びた彼らは、織田信長の家臣に取り立てられる。
桶狭間の戦い、墨俣城の建城といった場で、妖怪の力や霊石による軍勢の強化によって手柄を上げ、さらに蜂須賀小六などの仲間を増やした二人は、織田家中で次第に重きをなしていった。
順調に見えた二人の行く末だったが、その背後には”霊石”のもたらす大きな陰が忍び寄っていた――
本作は戦国時代が舞台であり、秀吉と共に成り上がっていく形でストーリーが進みます。無明というオリジナルキャラクターが登場したり、妖怪や霊石(アムリタ)という特殊な力を持つ石が鍵となり、歴史上の人物や合戦をモチーフとしながらも独自のストーリーが展開していきます。死にゲーは難易度の高さゆえゲーム性そのものに目がいきますが、本作は秀吉と主人公を中心とした重厚な人間ドラマが展開され、結末がどうなるのか気になりながら進めていました。
なお、主人公の容姿等は決まっておらず、キャラクタークリエイトを行います。テンプレートも用意されていますので、自分で作るのが苦手な方も安心です。
仁王2のシステム
本作はソウルライクアクションRPG(いわゆる死にゲー)です。何度もトライ&エラーを繰り返して強敵を打ち倒すものとなりますが、基本的な部分について解説します。
武器種と構え変更による多彩な攻撃アクション
近接武器にはオーソドックスな刀や槍をはじめ、斧や鎖鎌、旋棍(トンファー)など、全部で11の武器種があります。刀は平均的な能力で状況対応力が高い、斧は振りが大きいが敵を崩す力が高いなど、武器種ごとに個性があります。2本まで同時に装備できるので、振りの早い武器と大振りな武器を組み合わせたり、同じ武器種で属性の異なるものを装備したりして、様々な敵に対応していきます。
近接武器を補助する形で使用する遠距離武器には弓、銃、大筒の3種があります。弓は威力は低めですが所持できる弾数が最も多く、妖怪に有効な破魔矢が放てます。銃は弓より威力が高いですが発砲時に大きな音が鳴るので周囲の敵に気づかれます。大筒は最も威力が高い代わりに武器構え中に自由に動けず、遠距離から攻撃してくる敵を処理するのには向きません。
また、近接武器は上段、中段、下段の構えを切り替えながら戦っていきます。上段の構えは隙が大きいが威力の高い攻撃を繰り出し、回避もローリングになります。中段は範囲の広い攻撃を繰り出し、回避はステップ→ローリングと行えます。下段は威力は低めですが隙は小さく、回避は連続ステップができます。武器種ごとに細かいモーションは異なるので、相対する敵の特徴や持っている武器に応じて、適切に構えを変更していくことが重要です。
スキルツリーを解放していくことで、武器種ごとに新たな技(武技)を覚えていきます。武技ごとに発動するボタンは固定されており、同じボタン配置の技を習得した場合は入れ替えることになります。構えにより発動できる技は異なってきますので、どの構えでどの武技が発動できるのか、把握しておきましょう。
気力管理が何よりも重要
本作では攻撃やガード、回避といった行動をとると気力(いわゆるスタミナ)を消費します。敵にも気力ゲージが設定されており、気力切れの状態で攻撃を受けると息切れし、一定時間動けなくなります。この時、組み討ちという強力な追撃を仕掛けられます。反対に、プレイヤー側も気力切れの状態で攻撃を受けてしまうと追撃され、大ダメージを受けてしまいます。
妖怪の場合は気力ゲージの代わりに妖力ゲージが設定されています。妖怪は通常こちらの攻撃に怯みませんが、妖力切れを起こさせることで怯むようになり、畳みかけるチャンスとなります。
この気力ゲージを管理する上で重要かつ本作の特徴と言えるシステムが「残心」です。残心は武道において技が終わった後も相手に対応できる姿勢や気迫を示すことを意味しますが、本作では攻撃の終わりにボタンを押すことで残心が発動、使用した気力を一定量回復できます。タイミングが早いと少ししか回復せず、遅いと発動しないので、序盤から発動する癖とタイミングを身につけることが本作の攻略の鍵です。
また、妖怪が技を発動したり無くなった妖力ゲージを回復したりすると、その場に常世と呼ばれる妖力のたまり場みたいなものを発生させます。この中に入ると気力回復速度が低下しますが、常世に触れた状態で残心をすると消せるので、この仕様も残心の重要度を高めています。
もう一つ、気力に関連する要素として装備重量があります。防具にはそれぞれ重さが設定されており、重い防具の方がガードした時に気力が削られにくく、敵の攻撃にも怯みにくくなります。とはいえ、装備重量には制限があり、重量オーバーになるとまともに戦えなくなるので気を付けましょう。
装備許容量のうち、30%未満だと軽装、30%以上〜70%未満だと中装、71%以上だと重装に区別されます。軽装は気力回復が最も早いですが1〜2撃でやられてしまうので、最初は中装をベースにして、武器種やプレイスタイルに応じて選択していくのがよいでしょう。なお、武器は装備重量に含まれません。
妖怪の力を使いこなせば更に強くなる
本作の主人公は半妖のため、ゲージが溜まると一定時間妖怪に変化できます。妖怪化にはパワー型の猛、スピード型の迅、遠距離型の幻の3種類のタイプがあり、装備している守護霊によって変わります。また、特定の敵の攻撃にはカウンターを合わせられますが、タイプによって発動のタイミングが異なります。猛は敵の攻撃が発動する前に攻撃、迅は相手の攻撃に合わせて前ステップ、幻は相手の攻撃に合わせてガードとなるので、自分に合うタイプを見つけましょう。
妖怪を倒すと、魂代(たましろ)を落とすことがあります。これを装備すると、突進したり、遠距離から攻撃したり、武器に属性を付与したりと、その妖怪の技を使用できるようになります。自分の戦略を強化できるものを探すのも楽しみの一つです。
オンライン要素あり
本作は3人までマルチプレイが可能です。マルチプレイには常世同行と一期一会の2種類があります。常世同行は最初から協力して進めてミッション達成を目指しますが、プレイヤーの数により敵のHPが増加したり、出現する敵の数が多くなったりします。また、プレイヤーHPがゼロになると救援ゲージが徐々に減少していき、ゲージが無くなるとミッション失敗となります。
一期一会はミッション進行中にまれびと召喚(救援依頼)を出したプレイヤーとマッチングする、いわゆるお助け機能です。こちらはミッションを達成するか、召喚主のプレイヤーが落命した時点で終了となります。
また、オンライン状態だと他のプレイヤーが落命した場所に血刀塚が出現するので、大量の血刀塚がある場所は何かあるなと警戒した方がよいでしょう。血刀塚を調べると「屍狂い」という敵対NPCが出現します。倒すと装備をドロップするので、余裕があれば戦うとよいです。他に義人塚と呼ばれるものがあり、こちらは「すけびと」という協力NPCを呼び出して共闘できます。
仁王2の良かった点
本作の良かった点は次の通りです。
攻略の選択肢が広い
本作は道中のザコ敵も強いので、どうしても苦手な敵も出てくると思います。その時には遠距離攻撃ができる妖怪技や、火薬玉や苦無といった忍術、相手の動きを遅くする陰陽術を使うなど、搦め手を使用することで勝てるようになったりします。自分の戦いやすい基本戦術に加え、敵に合わせた対応がとれるようになってくるとかなり面白くなります。特に、妖怪技は魂代さえあれば使用できるので、気軽に試せる点も良かったです。
一人でどうしても勝てなければ、まれびと召喚して助太刀してもらったり、義人塚から協力NPCを召喚して対応もできますので、完全に詰まってしまうことは少ないと思います。
ミッション制のため区切りがつけやすい
本作はミッション制のため、「今日はこのメインミッションまでクリアしたら終わろう!」とか、「今日はあまり時間がないからサブミッションを周回して装備ドロップを狙おう」という遊び方ができます。ハクスラ要素のある死にゲーという、熱中しやすいジャンルだからこそ、区切りをつけやすいのは大きな利点だと感じました。
とはいえ、未踏破のメインミッションを最初からやるとなると、道中で何度もやられたりボスに勝てなかったりして1時間以上平気でかかりますが…。
仁王2の気になった点
逆に、本作の気になった点は次のとおりです。
道中の常闇エリアがストレス
気力管理が重要と述べた通り、本作では気力切れの状態になると一瞬で落命のピンチになります。ミッションの中には「常闇エリア」という、見通しが悪い上に気力回復速度が低下したエリアが設定されている場合があります。解除するにはエリアを支配している妖怪を倒したり、ギミックを解除したりしなければなりません。
この常闇エリア、慣れるまでは思ったように動けず私は何度も落命しました。なお、ボスが戦闘中に常闇を展開してくることがありますが、これは妖力ゲージを削り切るか時間経過で解除されます。
気力回復速度を上げるアイテムや陰陽術を使うか、妖怪技に頼るといった工夫をすれば戦いやすくなりますが、若干のストレスを感じたので気になる点として挙げておきます。
複数討伐ミッションがソロだとやや難しい
サブミッションには敵が次々と出てくる、中ボスと大ボスの同時出現などの数の暴力で押してくるものがあります。本作の魅力は強力なボスと1対1で繰り広げる死闘だと思っているので、あちこちから攻撃が飛んできて何もできずに袋叩きに合うのはモヤモヤしました。
敵の出てくる順番や位置を覚え、厄介な敵は出現と同時に全力で攻撃したり、画面外からの攻撃を防ぐ位置取りができるようになればクリアは可能ですが、適正レベル以上にレベリングしたり、マルチプレイで挑戦する方が個人的には良いと思います。幸いにもメインミッションにはそういったシチュエーションがほぼ無いので、どうしてもクリアできないものはスルーしてもよいかもしれません。
まとめ
ここまでをまとめます。
- トライ&エラーで強敵を倒していく高難易度アクション
- 武器、守護霊、妖怪技などビルド要素が多く自分に合うスタイルを追求できる
- 複数戦などソロだと難しいミッションがある
最初はやれることが多く混乱してしまうかもしれませんが、流れるように構えを変更したり、武器を使い分けたりできると最高に気持ちいいので、是非チャレンジしてみてくださいね!